テキスト情報の文言とアクセシビリティー

テキスト情報においてどれだけ多くの人に情報が伝わるかは、用いられている文言次第です。当然、分かりやすい表現や一貫した表記を心掛けるといったことは必要ですが、これらはアクセシビリティー以前の問題です。テキストの品質を一定以上に保つために、ライティング・ガイドラインを別に定めると良いでしょう。

特定の感覚に依存しない表現

テキスト情報の文言について、アクセシビリティーの観点から特に重要なのは、特定の感覚を前提とした表現を単独で用いないということです。

例えば、「赤色のアイコンをクリック」というテキストがあったとします。もし赤色のアイコンが画面上に1つだけしかない場合、多くの人にとってはこの説明で十分ですし、それが一番分かりやすい説明になり得るでしょう。しかし、色弱のユーザーには他の色の同じ形状のアイコンとの区別ができない可能性があります。さらに、スクリーン・リーダーのユーザーには、全く伝わらない可能性が高いでしょう。

ではこのような表現を避けるべきかというと、全くそんなことはありません。この表現では伝わらない可能性がある人にも理解しやすい表現を併用すれば問題ありません。この場合なら、アイコンの色だけではなく、形状、表示位置、アイコンに付与されているテキストのラベルなど、必要に応じていくつかの情報を提示することで、この問題を回避することができます。

明確な見出しやラベル

テキスト情報の文言についてもう1つ重要な点は、見出しやラベルに用いるテキストの文言を分かりやすいものにする、という点です。見出しに適切な文言が用いられていれば、そのセクションに書かれている情報が自分にとって必要なものかどうかの判断が容易になります。これは、特にスクリーン・リーダーのユーザーには重要です。

ラベルに関しても分かりやすい文言を用いることで、そのコンポーネントやフォーム・コントロールの目的を正確に伝えることができます。

テキスト情報の文言の明確さはすべてのユーザーに役立ちますが、特に支援技術のユーザーにとっては、コンテンツの理解やナビゲーションをより効果的に行うのに大いに役立ちます。

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