NVDAを用いたチェック実施方法の例
ここでは、各チェック内容で示したチェック方法の例について、NVDAを用いて実施するものをまとめて記しています。
NVDAのインストール方法や基本的な使い方などについては、NVDAを用いたチェックの実施方法を参照してください。
チェックID:0411
アイコンの役割や示している状態が分かるテキストが、スクリーン・リーダーで読み上げられる。
ID 0411-nvda-01
NVDAで以下の操作をしたとき、アイコンの示す状態や機能が分かる読み上げがされることを確認する。
ブラウズ・モードで矢印キーを操作してアイコンがある箇所を読み上げさせたとき
そのアイコンがボタンやリンクなど、フォーカスを受け取るものの場合、Tab/Shift+Tabキーの操作でフォーカスされたとき
チェックID:0413
アイコンがテキストのラベルと併せて表示されている場合、同じ内容が重複してスクリーン・リーダーに読み上げられない。
ID 0413-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードでの矢印キーの操作で、当該のアイコンとテキスト・ラベルがある箇所を通過したとき、アイコンとそのアイコンに併記されているテキストの両方が読み上げられるなど、結果として同じ内容が2度読まれるような状態になっていないことを確認する。
チェックID:0441
画像の説明がスクリーン・リーダーで適切に読み上げられる。
ID 0441-nvda-01
NVDAで以下の操作をしたとき、画像に関する簡潔な読み上げがされることを確認する。
ブラウズ・モードで矢印キーを操作して当該箇所を読み上げさせたとき
その画像がリンクなど、フォーカスを受け取るものの場合、Tab / Shift + Tabキーの操作でフォーカスされたとき
詳細な説明が必要な画像の場合、以下のいずれかを満たしていることを確認する。
当該画像の直前または直後に詳細な説明があり、ブラウズ・モードでの矢印キーの操作で読み上げさせることができる
ブラウズ・モードで矢印キーを操作して当該画像を読み上げさせたとき、詳細な説明が読み上げられる
チェックID:0471
情報や機能性を一切持たない画像は、スクリーン・リーダーで読み上げられない。
ID 0471-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードでの矢印キーの操作で当該の画像がある箇所を通過したとき、画像の存在が分かるような読み上げがされないことを確認する。
チェックID:0531
画像化されているテキストの内容を、スクリーン・リーダーで確認できる。
ID 0531-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードでの矢印キーの操作で当該の画像を読み上げさせたとき、画像に含まれるテキストと同じ内容が読み上げられることを確認する。
チェックID:0561
見出しは、設計資料で示されている見出しレベルの見出しとしてスクリーン・リーダーに認識されている。
ID 0561-nvda-01
NVDAで以下の操作をして見出しリストを表示して、ページ中の見出しが過不足なく表示されていることを確認する。
ブラウズ・モードで要素リストを表示(NVDA+F7)
「種別」を「見出し」に設定(Alt+H)
チェックID:0562
スクリーン・リーダーが、表を適切に認識していて、表中のセルも適切に認識している。
ID 0562-nvda-01
以下のすべてを満たしていることをNVDAで確認する。
以下の手順で表を発見できる:
ブラウズ・モードでページの先頭に移動(Ctrl+Home)
前後の表への移動(TまたはShift+Tキー)で、表に移動
以下の手順で、表中のセル間を移動して、セルの内容が適切に読み上げられる:
ブラウズ・モードで表の先頭部分を探す
以下のキー操作でセル間を移動:
Ctrl+Alt+←:左のセル
Ctrl+Alt+→:右のセル
Ctrl+Alt+↓:下のセル
Ctrl+Alt+↑:上のセル
セル移動時に読み上げられる内容:
上記のセル間移動の操作を行った場合、以下の内容が読み上げられます。
左右の移動:移動先のセルの列見出し、列の番号、セルの内容
上下の移動:移動先のセルの行見出し、行の番号、セルの内容
ブラウズ・モードで単に矢印キーを操作した場合は、以下のような内容が読み上げられます。
上下矢印:前後のセルへ移動して読み上げ。ただしセル内で改行がある場合などは、セルの1部分だけが読み上げられることもある。
左右矢印:1文字ずつ移動して読み上げ。空のセルでは、1つだけスペースがあるような挙動になる。
チェックID:0591
静的なテキストではない部分(例:開閉するメニュー、タブ・パネル、日付選択UI)も、スクリーン・リーダーで問題なく操作できる。
ID 0591-nvda-01
以下のすべてを満たしていることをNVDAで確認する:
ブラウズ・モードでその部分を読み上げさせたとき、何らかの操作を受け付けるものであることが分かる
その部分で提供されているすべての機能を、最低限フォーカス・モードにおいてキーボードで操作できる
操作の結果表示が変わる場合、そのことが読み上げられる内容から理解できる
操作の結果表示が変わる場合、ブラウズ・モードで変更後の表示内容を読み上げさせて確認できる
チェックID:0621
スクリーン・リーダーで読み上げたとき、適切な言語の音声エンジンで読み上げられる。
ID 0621-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードで上下矢印キーを用いて読み上げさせたとき、表示されているテキストが問題なく読み上げられることを確認する。
このチェックを正しく実施するためには、多言語処理のための設定を行う必要があります。(スクリーン・リーダーを用いたチェックの実施方法の「その他の初期設定」、「音声」および「音声合成エンジンの管理」の項を参照)
チェックID:0681
スクリーン・リーダーの見出しジャンプ機能やARIAランドマークで示される領域間ジャンプ機能で本文の開始位置を見つけることができる。
ID 0681-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードで、次/前の見出しへの移動(H / Shift + Hキー)を用いて、本文直前の見出しに移動できることを確認する。
ID 0681-nvda-02
NVDAのブラウズ・モードで、次のランドマークへの移動(Dキー)でmain要素の先頭部分に移動でき、その直後から本文が始まっていることを確認巣る。
チェックID:0711
ページ/画面の状態が変化したときも含めて、スクリーン・リーダーで読み上げさせた時、内容的、および視覚的に自然な順序で読み上げられる。
ID 0711-nvda-01
NVDAが起動している状態で、以下を確認する:
ブラウズ・モードでページ先頭から矢印キーの操作で読み上げさせたとき、自然な、意味の理解を阻害しない順序で読み上げられることを確認する。
別の画面への遷移を伴わずに表示内容を変更するような仕組みがある場合は、すべての状態において適切な順序で読み上げられることを確認する。
チェックID:0801
グローバル・ナビゲーション、ヘッダー、フッター、パンくずリスト、サポートUIなど、複数のページ/画面で共通に用いられている構成要素は、すべてのページ/画面で同じ出現順序になっている。かつ
これらの構成要素の中でのリンクやボタンの出現順序は、すべてのページ/画面で同じになっている。
ID 0801-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードで上下矢印キーで読み上げさせたとき、複数のページで読み上げ順序が一貫していることを確認する。
チェックID:0861
スクリーン・リーダーで、グローバル・ナビゲーションやパンくずリスト内でそのページの位置が分かるような読み上げがされる。
ID 0861-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードでの矢印キーの操作による読み上げで、パンくずリストやグローバル・ナビゲーションの中で現在表示中のページを表す箇所を読み上げたとき、「現在のページ」というような発声があることを確認する。
チェックID:0921
複数の言語が含まれているテキストについて、多言語対応している読み上げ環境を用いて読み上げさせたとき、適切な言語の音声エンジンで読み上げられる。
ID 0921-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードで上下矢印キーを用いて読み上げさせたとき、使用されている言語に応じて読み上げに用いられる音声が切り替わることを確認する。
チェックID:0922
日付、時刻、数値などは、ページやアプリケーションで利用されている自然言語において自然な形で読み上げられる。
ID 0922-nvda-01
NVDAのブラウズ・モードで上下矢印キーを用いて日付、時刻、数値などを読み上げさせて、以下のすべてを満たしていることを確認する。
当該箇所の読み上げに用いられる音声は、他の箇所を読み上げさせたときの音声と同じ種類の音声である
当該箇所の読み上げが、そのページやアプリケーションで用いられている言語において自然なものになっている(例:日本語が用いられている場合に、「1月1日」を「ジャニュアリーファースト」などと読み上げない)
チェックID:0951
エディット・ボックス、チェックボックス、ラジオボタンなど、フォーム・コントロールは、適切にラベル付けされている。
ID 0951-nvda-01
NVDAのフォーカス・モードでTab / Shift + Tabキーを用いてフォーカスをそのフォーム・コントロールに移動した際、対応した適切なテキストが読み上げられることを確認する。
チェックID:1191
操作の結果などを伝えるステータス・メッセージは、スクリーン・リーダーで自動的に読み上げられる。
ID 1191-nvda-01
NVDAを起動した状態で設計資料に従ってステータス・メッセージが表示される操作を行い、表示されたステータス・メッセージが自動的に読み上げられることを確認する。
参考:aria-live
を用いた実装において期待される挙動については、ステータス・メッセージとスクリーン・リーダーに示した実装例を参照